The Durutti Column Discography

 永きに渡り活動している THE DURUTTI COLUMN ですが、未入手のものや手放したものもありますので、現在所有のものをディスクレビュー形式で紹介させていただきます。


The Return Of The Durutti Column

The Return Of The Durutti Column

1979

LP

Factory FACT 14

produced by Martin Hannet

The Return Of The Durutti Column

A

1.
2.
3.
4.

Sketch For Summer
Requiem For A Father
Katharine
Conduct

B

5.
6.
7.
8.
9.

Beginning
Jazz
Sketch For Winter
Collette
In 'D'

 デビュー・アルバムです。もう彼を好きなファンの方なら、皆さん同じでしょうが、今でもこのアルバムの1曲目に収録された「Sketch For Summer」を初めて聴いたときの感動は忘れられません。そして、今でも気分が滅入ったり疲れてしまった時など時々針を落としたくなる心安らぐ名曲です。この曲が生まれた経緯は、あまりにも有名なので割愛させてもらいますが、初回盤ではサンド・ペーパー製のスリーブでB面は途中で溝が終わって、残りの部分を補う形で7インチが一緒に付けられていたという凝った作りだったようです。私の持っているレコードは、丁度 JOY DIVISION のファーストと同じ紙質で肌触りのいい紙でした。


Lips That Would Kiss

Lips That Would Kiss

1980

12"

Factory Benelux FBN 2-005

produced by Martin Hannet

Lips That Would Kiss

A

1.

Lips That Would Kiss
(Form Prayers To Broken Stone)

B

2.

Madeleine

 片面に1曲づつの12インチですが、どちらも名曲です。「Sketch For Summer」のような哀愁ただよう感じとは違いますが、爽やかなエコーのかかったギターの調べが優しい気分にさせてくれます。特にB面の「Madeleine」は大好きな名曲。ジャケットもやはり雰囲気のあるイラストが印象的です。


LC

LC

1981

LP

Factory FACT 44

produced by Vini Reilly

LC

A

1.
2.
3.
4.
5.

Sketch For Dawn 1
Portrait For Frazier
Jacqueline
Messidor
Sketch For Dawn 2

B

6.
7.
8.
9.
10.

Never Known
The Act Committed
Detail For Paul
The Missing Boy
The Sweet Cheat Gone

 ファースト・アルバムではマーティン・ハネットがプロデュース以外の部分でも演奏にも参加しており、重要な役割を果たしていましたが、今回はパーカッション、ドラムスにブルース・ミッチェル(Bruce Mitchell)が参加しており、これ以降ドゥルッティ・コラムは、この2人を中心に活動していったようです。パーカッションにより音の広がりを増していながらもファースト以上に優しい包まれるようなサウンドが心地いい傑作です。
 マット調の白いジャケットもレコード・ラベルのカラフルな装飾もとても美しいのですが、コーティングがされていないので汚れやすいので注意が必要です。


Another Setting

Another Setting

1982

LP

Factory FACT 74

produced by Chris Nagle and Vini Reilly

Another Setting

A

1.
2.
3.
4.
5.
6.

Prayer
Response
Bordeaux
For A Western
The Beggar
Francesca

B

7.
8.
9.
10.
11.

Smile In The Crowd
You've Heard It Before
Dream Of A Child
Second Family
Spent Time

 こちらの3枚目も大変に美しい曲が多く、とても好きな方が多いようです。プロデュースをクリス・ナジェル(ファースト・アルバムのエンジニア)と共同で行っています。
 このアルバムも白を基調としたマット地の淡い色合いのジャケットと、中に封入されたカットアウトされた厚紙のインナーがとてもいい感じです。ファクトリーの盟友、ア・サーティン・レイシオのフロント・マンだったサイモン・トッピングもトランペットで参加していたり、新しい試みを垣間見せているアルバムでもあります。


Amigos Em Portugal

Amigos Em Portugal
Dedications For Jacqueline

1983

LP

Fandacao Atlantica 1652071

produced by Chris Nagle and Vini Reilly

Amigos Em Portugal

Amigos Em Portugal

Dedications For Jacqueline

A

1.
2.
3.
4.
5.
6.

Amigos Em Portugal
Menina Ao P Duma Piscina
Lisboa
Sara E Tristana
Estoril Noite
Vestido Amarrotado

B

7.
8.
9.
10.
11.
12.

Wheels Turning
Lies Of Mercy
Saudade
Games Of Rhythm
Favourite Descending Intervals
To End With

 突如ポルトガルのレーベルより出された別プロジェクト的作品のようですが、基本的には、やはりヴィニ本来のサウンドです。A面は「Amigos Em Portugal」と題される、最後の1曲「Vestido Amarrotado」を除いた殆どの曲をインスト曲主体の構成にされており、これが実に哀愁をおびたメロディが素晴らしい(どうやらこの曲はCD化では除かれているようです)。ガラス細工のようにナイーブな曲ばかりです。「Dedications For Jacqueline」と題されたB面は、ジャクリーンという亡くなられた女性に対して捧げられたボーカル曲主体で構成されていて、こちらも同じく素晴らしく、これも傑作だと思います。


Without Mercy

Without Mercy

1984

LP

Factory FACT 84

produced by Anthony Wilson and Michael Johnson

Without Mercy

A

1.

Without Mercy I

B

2.

Without Mercy II

 彼にとって分岐点となった作品ですし、ファンにとっても難しくなった印象をもった作品だったと思います。曲の出だしの部分などの美しい始まり方はとても好きなのですが、当時はなんだか途中からの展開が室内楽のようになっていく部分に、初期のシンプルだけど美しかったサウンドが大きく変化してしまった様には、戸惑いをおぼえた人も多かったと思います。しかし時間を置いて久しぶりに構えることなく聴いてみると、とても癒されるメロディですし、いい曲だと思います。タキシードムーンのブレイン・レイニンガーがヴァイオリンで参加しています。


Say What You Mean, Mean What You Say

Say What You Mean, Mean What You Say

1985

12"

Factory FAC 114

produced by Vini Reilly

Say What You Mean

A

1.
2.
3.

Goodbye
The Room
A Little Mercy

B

4.
5.
6.

Silence
E.E.
Hello

 日本では、来日記念盤として出された12インチです。前作の室内楽路線からすると少し原点に戻ったかな?と思わせる曲もあります。「Without Mercy」でもそうですが、ジャケットはグレーの厚紙に紙をペタッと貼ってある変わったジャケットです。


Circuses And Bread

Circuses And Bread

1985

LP

Factory Benelux FBN 36

produced by Vini Reilly

Circuses And Bread

A

1.
2.
3.
4.
5.
6.

Pauline
Tomorrow
Dance II
Hilary
Street Fight
Royal Infirmary

B

1.
2.
3.

Black Horses
Dance I
Blind Elevator Girl Osaka

 全体を通して叙情的なサウンドに包まれ、『Without Mercy』から続く室内楽的サウンドの完成型がこれになるのでしょうか。叙情派オルタナティブというのが一時期4ADなどを中心として、色々と出てきましたが、そういうサウンドとして考えると傑作だと思います。アルバムの最後に収録の「Blind Elevator Girl Osaka」は、大阪で出会った盲目の少女のことを描いた曲とのこと。


Tomorrow

Tomorrow

1985

12"

Factory Benelux FBN 51

produced by Vini Reilly

Tomorrow

B

1.

Tomorrow

B

1.
2.

Tomorrow (Live in Japan)
All That Love And Maths Can Do

 B面には来日ライブの録音が入っています。「All That Love And Maths Can Do」は胸に詰まってくるような切ないメロディです。

NEXT>>